ふと思い出した。Gmailのアカウントで最初に取得したアドレスとその他いくつかにとんとアクセスしていないことを。
Gmailアドレスのうち2つはThunderbirdで常時利用しているのだけれど、その他ではしばらく前からmuttで設定してあるものを含め用途に応じて使い分けていたもので普通にウェブUIで使っていた。
なぜあまり利用していなかったかというと、Yahoo! Mail(米国、ここでも複数アカウントを利用)と同じく、チャットで知り合ってメールアドレスを聞かれても自分からはメールを出さない相手(そしてこの場合ほとんどその聞いてきた相手からメールが来ることもない)に「これが自分のアドレス」と伝える、いわば「捨てアドレス」だったりする。特にYahoo! Mailの場合はチャットで出会うことが多いフィリピン人チャッターに伝えることが多く、彼らはだいたいメールを書いたり読んだりすることよりYahoo! Messengerその他のIMでのチャット、またそれら上でのウェブカムチャットを好む。Yahoo!の場合メールアドレスイコールそのYahoo! MessengerのIDにもなっているので、メールのやりとりをしたいからとアドレスを聞いてくるわけではないのだろう。
一方Gmailのほうはチャット相手に教えることはあまりなく、複数あるアドレスの多くは特定の掲示板とかオンラインフォーラムやその他のサービス登録用に使っていたもので、最近疎遠になっていたところに使っていたアドレスは「暇」なのでアクセスしていなかったのだ。
じゃ久しぶりにログインしてチェックしてみるか、と思った。それにはもちろん普通にブラウザでGmailにアクセスしてウェブUIでそれぞれ使うのもいいし、この機に普段使っているGmailアドレス二つに転送するようにして統合してもいい。しかし今回は以前から気になっていた(って何年前からだろう)Wanderlustに手を出し、それらお暇だったGmailアドレスをそれで利用してみることにした。
WanderlustはEmacs内で利用できるメール/ニュースリーダで、かなり前に同じくEmacsでMewを使っていた自分としてはずっと気になっていた。 Mewを使わなくなった一番の理由は、常用するOSがWindowsになったりLinuxになったりというのを数年置きに繰り替えしていて、WindowsではあまりEmacsを使わなかった(Meadowは使ってはいたが)から。
ということで例によってWanderlustのサイトで最新バージョンがいくつなのかを確認し、今回はapt-getで普通にインストール。(珍しくリポジトリにあるものが新しかった。というかWanderlust自体が更新されていないのか)
sudo apt-get install wl
さらにはTLS接続支援プログラムもインストール。これはWanderlustでGmailを利用するのに必要らしい。
sudo apt-get install starttls
インストールができたら、Wanderlust用の設定を行う。設定ファイルのテンプレートは
/usr/share/doc/wl/examples
に日本語のものと英語のもの両方がインストールされている(Ubuntu/Kubuntuの場合)ので、これらをホームディレクトリにそれぞれコピーする。(自分で一から書くならしなくてもいい)
cp /usr/share/doc/wl/examples/en/dot.addresses ~/.addresses
cp /usr/share/doc/wl/examples/en/dot.folders ~/.folders
cp /usr/share/doc/wl/examples/en/dot.wl.gz ~
(最後はもちろん解凍し.wlとする)
そしてこれら3つの設定ファイルを自分の環境に合わせて編集する。.addressesはアドレス帳、.foldersはアクセスするメールアカウントやWanderlust内で利用するメールフォルダの設定など、.wlはWanderlust全体の設定を記述する。今回はWanderlustでGmailアドレスをIMAPで利用するように設定する。
それぞれの設定ファイルテンプレートにはコメントが豊富に書き込まれているので、それを見ながら書き換えていく。今回は2つのGmailアドレスを試しに使ってみるつもりなので、.addressesはひとまず放っておいて.wlと.foldersを編集。WanderlustでGmailを利用する設定方法についてはネットで検索するとたくさん見つかる。それらも参考にしながらやってみる。
Gmailであればそれらのネットでたくさん見つかる設定例などのとおりにサーバ関係の設定をしておけばいいようだし、ひとつのアカウントだけで利用するなら.folders内での設定も、
%inbox
%/
だけ。.wl内で指定したアカウントのinboxフォルダ、そして%/はその他のフォルダにアクセスできるようにする。参考にしたページはたくさんあるが、例えばこことか。
ここまで設定して、とにかくEmacs(自分はほとんどコンソール内、というかyakuakeで起動)でWanderlustを使ってみる。
M-x wl
初期化が済むとミニバッファでパスワードを聞かれるので入力、すると指定したGmailアカウントのフォルダをチェックしにいく。うん、ちゃんとメールも読める。メール送信や返信もOK。
ここまでできたらもうひとつ別なGmailアカウントも使えるようにしてみたい。
.wl内ではメインのアカウントの設定がされているので、検索してみつかったページの多くで紹介されている方法、つまり.folders内の設定で「別アカウントのフォルダ」を設定してアクセスする方法を試してみる。例えばこんな感じ。
%inbox
%/
%inbox:”hogehoge@gmail.com”/clear@imap.gmail.com:993!
意味は「hogehoge@gmail.comというアカウントのinboxフォルダに、imapでimap.gmail.comのポート993(TLS)に平文パスワードでアクセス」(らしい)
この設定をしてみると確かにhogehoge@gmail.comのinboxにアクセスできる。もちろんこのhogehoge@gmail.comは.wl内で設定してあるメインのfoobar@gmail.comとは別なアカウントである。ここでhogehoge@gmail.comのinbox内にあるメールへ返信みてみる。返信はa、オリジナルメールの引用もしたいならAキーを押す。すると返信メールを書くためのドラフトモードになる。
あら、From:フィールドにはfoobar@gmail.comが。まあここは手で書き直してもいい。で、自分の別アドレスに送ってみる。
当たり前だがちゃんと届く。
が!
From:ヘッダは問題ないが、Message-ID:ヘッダが.wl内で指定してあるfoobar@gmail.comが元となったものとなっていて、これではヘッダを見るパラノイア(笑)にはfoobar@gmail.comとhogehoge@gmail.comが同一人物であるということがバレてしまう。てか、こんなことを気にする気分がパラノイアか。(爆)
その前に送信時にfoobar@gmail.comとしてsmtp.gmail.comにログインして送信してしまう。うーむ、これは?
しかしこんなページを発見、参考にしてさらに.wlを編集。
(setq wl-draft-config-alist ‘(
(“^From: .*foobar@gmail.com”
(wl-smtp-connection-type . ’starttls)
(wl-smtp-posting-port . 587)
(wl-smtp-authenticate-type . “plain”)
(wl-smtp-posting-user . “foobar@gmail.com”)
(wl-smtp-posting-server . “smtp.gmail.com”)
(wl-local-domain . “gmail.com”)
(wl-envelope-from . “foobar@gmail.com”)
)
(“^From: .*hogehoge@gmail.com”
(wl-smtp-connection-type . ’starttls)
(wl-smtp-posting-port . 587)
(wl-smtp-authenticate-type . “plain”)
(wl-smtp-posting-user . “hogehoge@gmail.com”)
(wl-smtp-posting-server . “smtp.gmail.com”)
(wl-local-domain . “gmail.com”)
(wl-envelope-from . “hogehoge@gmail.com”)
(wl-message-id-domain . “hogehoge@gmail.com”)
(wl-from . “hogehoge@gmail.com”)
)
))
と、こんな感じ。2つのアカウントについての設定ではここでもややパラノイア的(というかカスタマイズ変数それぞれについてちゃんと意味を把握していない 爆)なのだが、このように.wlで設定しておいてWanderlustを再起動、おお、今度はちゃんとMessage-IDもおーけい。(wl-message-id-domainがMessage-IDについての変数、らしい)
ただし現在のままだと送信あるいは返信時のドラフトでは送信元がfoobar@gmail.comになっていて、hogehoge@gmail.comとしたいときはそれを相変わらず手入力で修正しなくてはならない。これってFrom:のところでhogeと打った後にタブキーかなんかが補完してくれそうな気もしたりするんだが。(やってみたらできました)
とりあえず希望どおりに2つのGmailアカウントで使えるようになった。2つでいけたんだからそれ以上でもきっと大丈夫だろう。また、例えば自分の場合、hogehoge@gmail.comでしかやりとりしていない相手もいて、その場合wl-draft-config-alistでTo:を条件に同じように設定を変えることもたぶんできそうだ。
日本語フォルダ/ラベルや添付ファイル名が日本語だと不具合どうのというのをネットで読んだが、自分はまず両方共ないのでひとまずおいておく。
しかし昔はあれだけ嫌だったHTMLメール、最近は自分もThunderbirdでデフォではHTMLメールばかり送っていたりするので、プレーンなテキストメールを急に送ると数人から「どしたの?」とか聞かれそうな気もする。
自分がEmacsが好きなのはただ単にEmacs(使い出したのはGNU Emacsが出る前からだったりする)に指が慣れているからというだけで、Emacs Lispが書けるわけでもない。しかしこの「指が慣れている」というのはある程度以上のボリュームの文章を書くときには大事な点で、他の人はどうか知らないけれど自分はその意味ではKDEで標準のKate(GNOMEにも同様のものはあるだろう、gEditだっけ?)はその意味では話にならない。使えない。キーボードという道具を使って文章を書くときに、キーボードから手/指を離してマウスで、というのはどうしたって効率が悪く、しかも頭の中で考えることをそのままタイプしている合間にそれが中断されてしまって(自分にとっては)精神衛生上もよろしくない。
ついでに言えば自分はEmacsはコンソール上で使うことがほとんどなのだが、かつてVT端末上でEmacsを使っていたこと、いやさ、そうしたダム端末上でEmacs以外のエディタを使っていたころを思えばコンソール上といってもこんなに便利なものはないよなあ、と今でも思う。もちろんEmacs嫌いな人もたくさんいるんだろうけど。